研究概要 |
ミオシンはウサギ背筋より調製した。ミオシンをMg存在下でパパイン処理すると頭と胴とをつなぐペプチドを持った少し長い頭部が得られる。一方、ミオシンをEDTA存在下でキモトリプシンによって処理すると短い頭部が得られる。この短い頭部は頭と胴とをつなぐペプチドを持たないのでそのペプチドを含む重鎖断片を同定する際のコントロールとして用いる。まずそれらの頭部をトリプシンで限定分解する。トリプシンは2ケ所を切断して長い頭部からは50K,27K,26Kの断片を生ずる。短い頭からは50K,27K,20Kができるので長い頭部の26Kが目指すペプチドを含んでいることが分る。26Kと20K断片は5Mグアニジン塩酸溶液で平衡化したセファデックスG100カラムによって50K断片から分離し、次に8M尿素存在下でQAEセファデックスにかけることにより27K断片から分離した。精製された26Kと20K断片を臭化シアンで分解し生じた小ペプチドを逆相クロマトグラフィーによって分離すると26Kにはあるが20Kにはないピークが出る。これらが目指すペプチドの断片であるので、精製してアミノ酸配列を決定した。他方26Kと20Kをトリプシンで分解したものについても同様な分析を行ないアミノ酸配列を決定したところ、頭と胴とをつなぐペプチドの一次構造は次のようであることが分った。 E T/S IFCIQYNIRAFMNVKHW(Q)WMKLF(F)KIKPLL( )内のものはまだ完全に確定していないことを示している。
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