研究課題/領域番号 |
61540532
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物発生・生理学
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
山上 健次郎 上智大, 理工学部, 教授 (50011474)
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研究分担者 |
井内 一郎 上智大学, 理工学部, 講師 (10011694)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | メダカ / 孵化酵素 / 卵膜溶解 / 孵化 |
研究概要 |
当初、本研究の目的はメダカにおいてこれまで精製されている孵化酵素を、改良された精製手段を用いてさらに純化し、その性質をしらべるとともに、モノクローン抗体を作製し孵化腺内生成機構解明の準備をすることであった。孵化酵素は従来得られているP【II】-0.3(Yamagami,1972)をさらに精製する筈であったが精製を行う過程で、孵化液中に2種類のタンパク分解酵素が存在することが判明した。一つ(HCEと仮称)はタンパク分解活性のほかに強い卵膜溶解活性をもち、他方(LCEと仮称)は卵膜溶解活性が極めて低い。両者ともアルカリ性溶液中でのゲル瀘過および高速液体クロマトグラフィーによって、極めて高度に精製され、その性質をしらべることができた。HCEとLCEはともに塩基性のタンパク質であり、等電点は9.5〜10.5である。多くのMCA-ペプチドを用いて基質特異性をしらべると、ともにSuc-Leu-Val-Try-MCAをもっともよく分解するが、これ以上のMCA-基質との比較を行うと、LCEの方が基質特異性が高い。なお、SDS-PAGEを用いて測定した分子量は、HCEが約24.000,LCEが約26.000である。両者はともに孵化における卵膜溶解に関与している可能性が高いが、予備的実験によると次のようなことが判った。すなわち、HCE単独では卵膜が著しく膨潤するがなかなか分解しない。またLCE単独では卵膜はほとんど溶解しない。しかし、両者をともに作用させると卵膜は自然孵化時におけると同様に、膨潤することなく溶解する。今後、さらに作用機構を解明する予定である。 一方、BALB/C系マウスのSpleen Cell由来myeloma【SP_2】/Oを用い両者のモノクローン抗体をとりつつある。Elisa法による抗体価はHCEについては【10^6】〜【10^7】倍に上っており、その性質決定を行う予定である。又、LCEについては現在製作中である。
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