研究概要 |
研究第二年目の昭和62年度は, 第一年目に北陸各地と来九州から採集して来たボーリング・コア及び地表での採集試料について, 主として花粉分析・珪藻分析などを実施した. そして, 本年度が総括のの年度であるために, 一既に結果の出た地区については, 学会誌・大学紀要などに公表するための結果の整理と論文の作成に当った. また, 国内で開催される学会での口頭発表(予報)の準備と国際学会での口頭発表のための準備も行った. なお2年間の短期間では, なお十分に結果の出なかった北九州の試料については, 目下引続き分析と解析を急ぎ, 近き將来に公表できるまでにこぎつける予定である. 1.主な研究成果: (1)更新統と完新統の推積物の連続したサクセションの見られる所において, 層位, 推積学的に, 更新世と完新世の境界を求めることができた. (2)古生物学的資料, なかんづく, 花粉・胞子化石に基づく変化から両世の古植生と古気候の廉潔した変化を解析することができ, 他方, 珪藻分析の視点から両世の古水質の変化を解析することができた. (3)幾つかの選別されたボーリング・コアの数10の層準において, 炭素14による年代測定すべきかの決定ができた. (4)以上, (1)〜(3)の諸資料に基づき, 北陸地区における更新世と完新世との境界を1万年前に設立した. そして, 2.將来の研究課題:未調査地区についても, 今後実施する.
|