• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

低電子濃度超伝導体,電荷密度波半導体における光励起効果

研究課題

研究課題/領域番号 61550007
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 応用物性
研究機関東京大学

研究代表者

内田 慎一  東大, 工学部, 助手 (10114399)

研究期間 (年度) 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード酸化物超伝導体 / 光応答 / 光学型フォノン / 電荷密度波半導体 / 低電子濃度バリウム-鉛-ビスマス酸化物
研究概要

導電性酸化物Ba【Pb_(イ-x)】【Bi_x】【O_3】に対して、光をプローブとして様々な光学応答の観測を行い、高い臨界温度Tc【-!〜】12K及びx>0.35の半導体相の成因を解明することが本研究の目的である。そのために上記物質の金属・超伝導体相、半導体相それぞれの組成をもった単結晶試料の作製に取り組んだ。フラックス法を用いることにより物性測定にたえる充分な質及びサイズの単結晶とスパッタリング法により薄膜試料の作製に成功した。これらの試料に対して光学反射、光学吸収スペクトル、光音響効果、更にレーザー光照射励起下での光伝導、ラマン効果の実験を行った。その結果、特に半導体相試料の光応答、光励起効果が特徴的かつ顕著な振舞を示すことがわかった。通常の半導体の場合と異って、半導体エネルギーギャップを介したバンド間遷移の吸収がかなり鋭いスペクトルを示し、その痕跡が金属相においても観測される。しかも、このバンド間遷移の吸収と、ある特定の酵素原子の格子振動モードとが共鳴して、ラマン散乱スペクトルに高調波を発生させていることが判明した。この事実は、半導体相のエネルギーギャップ生成の起源が、上記の酸素の固有振動に対応する格子の静的変形によるものであることの直接的な検証となっている。すなわち、半導体相の成因は電荷密度波の発生にあると結論できる。光学反射・吸収スペクトルによって決定された半導体相のギャップエネルギーはx=1のBaBi【O_3】で最大であり、Bi組成xの減少にともない小さくなってゆく。しかし金属相においても、その痕跡が残っているという事実は、上記の格子振動と電子系との結合が金属相においても充分強く保持されており、Ba【Pb_(1-x)】【Bi_x】【O_3】における超伝導がこのような光学型フォノンとの結合により引き起されていることを強く示唆するものである。本系が金属として低電子濃度であることは光学型フォノンとの強い結合に有利に働いていると推定される。

報告書

(1件)
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 高木英典: 東京大学工学部総合試験所年報. 45. 107-112 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] 内田慎一: Phase Transitions. B8. 95-128 (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] 田島節子: Physical Review. B35. 696-703 (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] 北沢宏一: Proceedings of the Joint Japan-China Seminar【II】on Superconductirrty,Sendai. 117-121 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] 高木英典: Proceedings of the 18th International Conference on Physics Semiconductors,Stockholm. (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

URL: 

公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi