研究概要 |
シリコン基板上にCaP, CaP/GaAsP歪超格子, GaAsP/GaAs歪超格子を中間層としてGaAsを成長し, X線回析 フォトルミネセンス エレクトロリフレクタンス 反りの評価を行なった. また, その結果をGaAs基板上に成長したGaAsやSi基板上に2段階成長法によって成長したGaAsと比較した. 歪超格子を中間層に用いると2段階成長法と比較して, 反りは小さく, GaAsの厚さが3μmより小さい時は応力も小さいことがわかった. しかし, 依然として, GaAs層には10^7dyn/cm^2程度の応力がかかっている. GaAs上に成長したレーザはTEモードで発振しているのに対し, Si上に成長したGaAsレーザは(TE+TM)モードで発振している. これはGaAs層にかかっている引っぱり応力によって価電子帯の縮退が解けたためだと考えられる. GaAs/Siの反りを抑えるためにGaAsを選択的に成長し反りの緩和が確認でき, 初歩的な成果を得ることができた. GaAs層にかかっている10^9dyn/cm^2程の応力をゼロにするためにSi上に成長したGaAs層にかかる応力を理論的に計算し, 熱膨張係数がGaAsより大きい物質をSi基板側か, GaAs表面か, 又はその間に挿入すればよいことが解り, 現在その物質を探求中である.
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