研究概要 |
1.限界流線への電気分解法の新しい適用 放物体形状の模型および円柱模型を水槽に入れ電気分解によるフェノールフタレイン試薬の発色による可視化により限界流線や剥離パターンが明確に観察された. 模型表面の"電極ドット"を用いる方法が考案された. 2.CLOSED SEPARATION出現迎角の検証 鈍頭物体でのCLOSED SEPARATIONの出現迎角はレイノルズ数が数千ではBippesも可視化で指摘したように約60度である事を上述1.の手法で確認できた. 3.渦など非定常領域の動的観察 水素気泡法を主に用い放物体背後の表面付近の小さい縦渦やより外側の縦渦群が確認され, 物体表面の定常な限界流線との関連付けが残された課題となった. 4.剥離域の平坦圧力分布 放物体模型で風洞実験を行ない迎え角30度以上での表面静圧分布が測定された. 剥離域内部では周方向圧力分布が平坦な事が確認され圧力分布に限れば三次元でも二次元剥離との強い共通性が指摘できた. 5.円柱まわりの馬蹄渦や鞍点の可視化 円柱まわりの流れについては馬蹄渦や流れの特異点である鞍点, 焦点などがレイノルズ数1800程度で可視化できた. ただし馬蹄渦は水素気泡法により任意断面を可視化して観察された. 6.三次元ナヴィエストークス方程式による数値解析とグラフィック表示手法 西川が61年度まで用いた境界層近似の能力的, 時代的限界を踏まえて三次元非圧縮ナヴィエストークス方程式の差分解プログラムが開発され平板上円柱まわりの流れに適用された. その結果は上述5.の可視化結果と良好な一致をみた. 一般座標上でHSMAC法を適用し, 格子生成での工夫も行なった. 上の数値結果をサーフェスモデルによるコンピュータグラフィックで表示し実在感のある画像群を得た. また三次元アニメーション作成も試みられた.
|