研究課題/領域番号 |
61550060
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械材料工学
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
隆 雅久 青山学院大, 理工学部, 教授 (60082799)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 高分子材料 / 微細欠陥 / X線小角散乱 / 履歴負荷 / 損傷累積 |
研究概要 |
昭和61年度においてもX線小角散乱法を用いて、負荷途上の高分子材料中に見られるクレイズなどの微細な欠陥の累積、いわゆる損傷累積過程に関する研究を行っている。特に今年度は、特定の履歴負荷によって材料の内部に損傷を人為的に与えた"履歴材料"に注目し、履歴負荷の度合と材料の巨視力学量に反映する顕著な軟化現象との関係を微視的な欠陥の観点から検討することを試みた。すなわち、第一に処女材料に比べて履歴材料の再負荷途上における微細欠陥の累積挙動を調査し、応力ひずみ線図上に現われる力学的劣化の度合との対比、同時に履歴材料における損傷の定量的評価について検討した。また、走査電子顕微鏡(SEM)による微細欠陥の確認を試み、これまで難しかったこの種の材料の表面ならびに破壊面を新しい工夫を加えて観察することに成功した。得られた結果は次のようにまとめることができる。 1)処女材料および履歴材料において、3種類の微細欠陥の代表サイズRi(i=0〜2)は、ひずみ増加に対して変化せず、一方単位体積当りの微細欠陥の数Nviは増加し、一定値に収束する傾向を示した。これらのNvi増加曲線は、ひずみ軸方向にシフトすることでマスターカーブを作成することができ、このときのシフトファクター【ε_(SF)】は、履歴材料の微視的な損傷パラメータの1つと考えることができる。2)応力ひずみ線図において、処女材料と比べた履歴材料の応力値の低下度合を表わすひずみ【ε_K】は、履歴材料の巨視的な損傷パラメータと考えられ、微視的な損傷パラメータ【ε_(SF)】との間に有意な相関関係があることがわかった。また、損傷累積の過程はアレニウスの速度過程に支配されていると考えられる。3)走査電子顕微鏡写真より、履歴材料中にX線解析オーダより1ケタ大きな約150nmの空孔欠陥が観察され、X線オーダ欠陥の合体,成長の結果と考えられる。
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