研究概要 |
1.試験片(金属複合材)の製作 61年度は(Fe-Fe系)であるSNCM439とSNC631の二層からなる複合材を真空拡散接合法により製したが, 本年度は(Fe-SUS系)として, SNCM材とSUS420J2材の複合材を同様の方法で接合し, ワイヤカットにより板状に切出した試験片に放電加工により片側切欠きを付与した. 2.水素発生環境下の遅れ破壊試験(SCC試験) 種々の強度に調質した単独材および高強度複合材のSCC試験は5%のH_2SO_4水溶液雰囲気下の一定引張荷重下で実施し, 破談時間, き裂進展, AE発生挙動等を昨年度の場合と同様の方法で測定を行った. その結果, 複合材ではFeからSUSにき裂が進展する場合も, SUSからFeにき裂進展する場合も, いずれも界面はく離現象が生じFe-Fe系とはかなり異なった挙動を示すことが確認された. 界面はく離に関しては現在接合強度および材料強度(組織)の両面から検討中である. 3.金属複合材のX線応力測定 Fe-Fe系複合材の界面近傍の残留応力をX線的に測定し, 残留応力状態および分布のき裂進展に及ぼす影響について検討を行ったが, 特に残留応力の効果は認められず, き裂進展は材料強度に強く支配されることが認められた. 4.AE計測結果 SCC過程で計測されたAE発生総数より求められたdAE/dt-Kmaxの関係はda/dt-Kmaxとよい相関性がある.
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