研究概要 |
1.2物体が衝突する際の衝突持続時間を衝突端の応力変動より測定する衝突時間測定装置(検力円板)を設計・試作した. 検力板は衝突持続時間だけではなく, 衝撃力の測定装置としても使用し得る結果を得た. (1)アルミニウム棒の塑性衝突実験を行い, 検力板を用いて衝突端の応力変動および衝突時間を測定した. これに基づいて有限長棒の塑性波動および動的変形挙動について理論解析を行い, 有限長棒のひずみプラトー形成条件を明らかにした. (2)剛体壁とみなされる検力板に変断面棒を弾性衝突させ, 衝突端に生ずる衝撃力および衝突時間を測定し, 理論予測との比較を行い良好な結果を得た. 2.検力板の構造を一部変更, 簡略化した衝突時間測定装置(検力円柱)を設計・試作した. 検力円柱も衝撃力および衝突時間の測定装置として検力板と同等程度に有効である結果を得た. 検力円柱に種々の長さの名前試料棒を塑性衝突させて衝突時間の測定を行った. ひずみ速度依存塑性波動理論との比較を行い, 衝突時間は棒長, 衝突速度および材料のひずみ速度依存性に関係するとの結果を得た. 3.高速の衝突速度が得られる高圧ガス発射式衝撃試験機を設計・試作した. この試験機を用いて銅およびアルミニウム試料棒を検力板および検力円柱に塑性衝突させ, 衝突端の応力変動および衝突時間の測定を行った. これらの実験結果と理論解析の比較を行い, 塑性衝突する物体の衝突持続時間は試料の寸法, 衝突速度だけではなく, 試料の構成式, 特にひずみ速度依存性に大きく支配されることを明らかにした. 4.電磁誘導を利用した粒子速度測定装置を試作し, 塑性衝突する試料棒各値における粒子速度の測定を行っている. 現在, 前述の衝突端応力変動および粒子速度の実験結果を基に, 塑性衝突する物体の衝突持続時間に関する理論をまとめている.
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