研究課題/領域番号 |
61550066
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
材料力学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
斉藤 正克 筑大, 構造工学系, 助教授 (70029198)
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研究分担者 |
喜多 英治 筑波大学, 物理工学系, 講師 (80134203)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | SUS304 / 破壊靭性値 / 液体ヘリウム温度 |
研究概要 |
SUS304のCT試験片の液体ヘリウム温度での亀裂伝搬実験を行い、液体ヘリウム温度での破壊靭性値を求めた。測定方法として複数試験法、コンプライアンス法、超音波の周波数解析法を試みた。複数試験法での破壊靭性値は、亀裂が圧延方向に伝搬するとき、【J_(IC)】=12.71kgf/mm 亀裂が圧延直角方向に伝搬するとき【J_(IC)】=15.03kgf/mm であった。コンプライアンス法では、クリップゲージ出力より決定した亀裂長さ△aは切断して測定した亀裂長さと比較してかなり小さく、したがってR曲線の傾きが複数試験法に比べて大きくなり、これより求めた破壊靭性値は両伝搬方向ともに5kgf/mm程度となった。この値は上述の如き△aの測定値の精度の悪さに起因しており、コンプライアンス法を液体ヘリウム温度で適用するには、この点の克服が必要である。次に超音波法であるが、広帯域のバースト波を傅るために発信子としてPVDFフィルムを用いた。発信子としては十分使用にたえると考えられる。ところが受信子としてのPVDFフィルムは感度が期待していた程良くなく、SN比が悪く、バンドパスフィルターを通しただけでは再現性のあるデータを得ることができなかった。原因の第一は接着にあると考えている。液体ヘリウム温度での接着剤として水晶センサーに対して極めて有効であったイーストマン910であるが、PVDFフィルムの厚さは10μmであり、これに接着剤を均一に塗布すること、又その厚みをできるだけ小さくすることはかなりむつかしく、製作したセンサーによって応答が、かなり異ってしまった。次に室温における応答と液体ヘリウム恒温槽中での応答にも差異があった。これは熱収縮の違いによるものと思われる。現在、上記の点の改善をはかるとともに、SN比を向上させるための信号処理を試みている。
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