研究概要 |
セラミックス曲面の自動仕上加工を目的として, 半球形状をしたダイアモンド砥石を砥石円周方向及び砥石軸方向へ同時に回転し, 高速度で反転研削が可能な二軸回転研削工具の試作開発を行った. また半球ダイアモンド砥石の偏心を除去し, 砥粒切刃を突出させるために放電加工を利用したトゥルーイング法と, GC砥石をエアースピンドルで高速回転させながら円弧状にNC駆動するドレッシング法を考案した. 1例として, 窒化珪素(Si_3N_4)セラミックスの垂直面を, 切込み量30μm送り速度50mm/min, ピックフィード0.3mm, 種軸回転数770γpmの加工条件で研削した結果, 5μmRz程度の仕上面を得ることができ, また実切込み量を測定したところ30μmあり, 設定仕込み量と同じ切残しの無い加工を実現することができた. 次に, 長時間の連続研削仕上加工を目的として, さらに高剛性で偏心の少ない球帯ダイアモンド砥石を用いた二軸回転研削工具を開発した. 窒化珪素(Si_3N_4)とアルミナ(Al_2O_3)を例にとって, 平面と垂直面の仕上加工実験を前回と同様な加工条件で行った結果, いずれのセラミックスの場合も, 平面加工で1〜1.5μmRz, 垂直面加工で1.5〜2.5μmRzと良好な仕上面粗さを得ることができた. その後, アルミナの3点曲げ試験を行った結果, 平面加工で曲げ強度50kgf/mm^2, 垂直面加工で41kgf/mm^2と, 平面加工の場合とくに高い値を示した. またこれらの結果を, 研磨面アルミナ試料の曲げ強度(47kgf/mm^2)と比較したところ, ほぼ同じ値を示したことから, 反転研削によって得られたセラミックス表面は傷の無い, 高品質な面であることが明かになった. 以上のことから, 二軸回転ダイヤモンド研削工具は, セラミックス曲面の仕上加工に適用することができる.
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