研究概要 |
ファインセラミックスの平面仕上げ研磨法としては, 従来ダイヤモンドスラリによるラッピングが主流である. 本研究ではラッピングフィルムを用いる新しい研磨加工技術の開発により, この作業の自動化へ向けての展開を目ざしている. まず初年度はローラコーティングタイプ及び電着タイプのダイヤモンドフィルムについてそのラッピング特性を検討した. その結果ダイヤモンドラッピングフィルムの研磨能率, 仕上面精度, 摩耗特性などを実験的に明らかにした. 特に汎用GCラッピングフィルムとの比較によって, ダイヤモンドフィルムの優れた研磨性能を検証することができた. 本年度は更に異なるタイプのダイヤモンドフィルム, すなわち混練一体成形タイプと電鋳タイプを取り上げ, この新しいダイヤモンドラッピングフィルムの研磨性能を追究した. その結果, 混練一体成形タイプのダイヤモンドラッピングフィルムは極めて有望な研磨工具であることを確信できた. その要点は次のとおりである. (イ)ラッピングフィルムをラップ定盤上に高精度に貼付する技術を考案した. この結果, ラッピングフィルム作業面の平担度を数μm以内に維持することができ, 研磨面の形状精度を大幅に向上できる見通しを得た. (ロ)混練一体成形タイプのラッピングフィルムは, 従来のローラコーティングタイプのものに比べその工具寿命は数十倍勝っている. またこのラッピングフィルムはドレッシングを施すことが可能である. (ニ)混練一体成形タイプの研磨能力, 固有あらさ等を系統的な研磨実験により明らかにできた. これに基づき粒度分配システムを構築し, この研磨システムを光ファイバ端面研磨に適用した結果, その有効性を実証することができた.
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