研究概要 |
1.把持物と機構の接触部を対偶でモデル化し, 把持物一把持機構系全体に自由度の方程式を適用することによって, 拘束すべき把持物の自由度と, 把持機構の入力数および自由度との関係を明らかにし, 把持を可能にするための条件を導出している. 2.円柱および正多角柱の把持を条件として, 3自由度1入力の把持機構の数の総合を行い, 5節機構を左右対称に配置した1形式と, 7節機構を左右対称に配置した5形式を得ている. その中から7節機構で構成される形式を例に取りあげ, 把持物の大きさに関する評価量, ならびに把持力の均等化に関する評価量を定め, それらを用いて把持機構の量の総合を行い, 広範囲の大きさの円柱, 正四角形および正六角柱の把持が可能で, 平行2本指の把持機構に比べて把持力の分散が容易である把持機構を得ている. 3.把持物に接触する節に接触センサーを付加することによって把持力の測定を可能にした把持機構を実際に製作し, その把持機構を用いて円柱, 正四角柱および正六角柱を把持した際の把持力の測定を行い, 理論値とよく一致していること, ならびに機構の入力トルクを一定にすれば, 把持物の大きさに関わらず把持力はほぼ一定になることを明らかにしている. 4.腕機構の軽量化のために静止節上のモータからリンク機構を介して動力を腕先端部に伝達する形式の搬送機を取りあげ, その搬送作業において, 作業開始から腕節が作業終了位置に達するまでは動力伝達用の軸および節を剛とみなした最短時間制御を行い, その後に正, 負の電圧を数回モータに印可することによって, 軸および節の弾性変形によって生じる残留振動を除去する準最短時間制御を提案し, この手法の有効性を理論的ならびに実験的に明らかにしている.
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