研究課題/領域番号 |
61550133
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
西 道弘 九工大, 工学部, 教授 (80038588)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1986年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 流体機械要素 / 吸出し管 / フランシス水車 / 流体振動 / 旋回流 / 水圧脈動 / 流動様式 / 圧力測定 |
研究概要 |
フランシス水車に設けられる曲り吸出し管の幾何形状によって、部分負荷運転域の安定性能を損うQS形水圧脈動(吸出し管サージング)の低減を達成するために、新たに製作された曲り吸出し管を使用して水圧脈動に及ぼす流路形状の影響を実験的に調べ、以下の知見を得た。 1.吸出し管入口円すい部において十分な圧力回復量が得られるように曲り部までの断面積比を大きくした幾何形状を採用することにより、QS形水圧脈動を低減できる。 2.したがって、管内水流が共振状態に陥ることで発生するQS形水圧脈動の引き金が圧力回復量の変動であるとした西らの理論は妥当と判断された。 3.一本のら旋形渦心によって生ずる脈動圧力がふれ回り成分と同相成分の和として表現できるという西らの理論に基づき圧力波形を分析した結果、水圧脈動のキャビテーション特性が正しく表されることが確認された。 4.ら旋形渦心の形態で代表される吸出し管内の流動様式は、旋回度だけでなくキャビテーション係数の影響も受ける。流動様式【III】の運転状態においてキャビテーション係数Kを大きくしていくとKの増加に伴って2本のら旋渦心の出現率が1本よりも高くなるという間欠性を有する領域が見出された。この領域を流動様式【IV】'と命名した。 5.上記の間欠性については高速ビデオ解析装置を利用して調べ、間欠係数を用いて定量化した。 吸出し管サージングは水車分野の重要な問題であるが、脈動圧力の測定法が確立していないこともあって国際規格には未だ取入れられていない。本研究により得られた知見はその解決の緒を与えるので、水車用吸出し管の水圧脈動特性の計測法および診断法の開発とその確立を図る試験研究に繋いでいきたいと考えている。
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