研究概要 |
間欠性を伴う熱源を安定して利用できる熱交換器として, 潜熱蓄熱材を組み込んだプレートフィン式直交流型の空気-空気間熱交換器を試作し, 定常的, 過渡的, 周期的運転における熱交換器内温度および入口出口空気温度を測定し, 熱交換器としておよび蓄熱器としての性能を明かにした. 熱交換器は外寸9.5mm角, 肉厚0.5mm, 長さ300mmの銅製角管を31本並べ, これを交互に90度ずらして10段重ねてはんだ付けし, 1本おきに潜熱蓄熱材としてnオクタデカンを封入した. 静的な熱交換器性能として, 定常状態において空気入口温度・流量を変えて, 温度効率, 熱通過率を求めた. 本熱交換器では温度効率がプレートフィンを設けない場合より約10%高い. 管壁内伝熱量が大きく, 熱伝達の抵抗が大きいため, 熱通過率に対する潜熱蓄熱材の熱抵抗の影響が小さい. 三次元熱伝導解析をおこない, 全熱抵抗に対する管と潜熱蓄熱材を合わせた熱抵抗の割合を, 管と潜熱蓄熱材の寸法比および熱伝導率比をパラメータとし, ビオ数を変数として求めた. 定常状態から高温側空気流を断続し, 放熱・蓄熱特性を調べた. 高温側空気流を止めてからも90〜150分間低温側空気出口温度が一定に維持でき, 蓄熱効果が認められた. 空気流量400l/min, 低温側入口温度10°C, 高温側空気温度70°Cの条件で, 1時間間隔で高温流を断続する周期運転をおこなった結果, 低温側出口温度変動が5°C以内であり, 低温空気を安定して加熱できることを示した. 今後の改良点として, 空気側の伝熱面積を増大させること, 融点の異なる潜熱蓄熱材を熱交換器内の温度分布に応じて複数配置することが考えられる. それらは定常時の温度効率を高めること, 潜熱蓄熱材の利用効率を高めかつ低温側出口温度変動を小さくするなどの効果が期待できる.
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