研究概要 |
本研究においては、新作動流体の一つとして注目されているフロン系冷媒R152aおよび有機混合流体R152a+R114系のPVTχ性質および臨界定数を測定した。PVTχ性質については、両成分物質を含む0,10,20,50,80,100wt%R152aの6組成の混合流体について、密度130〜1330kg/【M^3】,温度303〜443K,庄力0.4〜9.6MPaの範囲で628点の実測値を得た。これらの実測値の組成・密度・庄力・温度測定誤差は、それぞれ0.1%,0.16%,3kpa,8mkである。また上記6組成の混合流体の臨界温度,臨界密度を目視法により測定し、さらにPVTχ性質の実測値よりそれぞれの混合流体の臨界庄力を決定し、R152a+R114混合系の臨界定数の組成依存性(臨界軌跡)を明らかにした。 混合流体の臨界定数の組成依存性に関する一般化相関式の作成は、混合流体の熱物性値を推算するうえで最も重要である。本研究では、まず従来提案されている各種の相関式・推算法について従来得られている実測値と比較検討を行い、従来の方法では十分に精度良く推算することができないことを明らかにし、ついで臨界定数の組成依存性に関する新しい相関式を提案した。またR12,R22,R13,R23,R13B1,R114,R116およびR152aの8種類の冷媒の飽和蒸気庄に関する実測値に基づいて、飽和蒸気庄の一般化相関式を作成した。作成した相関式の有効範囲は臨界温度の0.4倍の温度から臨界温度までであり、その精度は1%である。本研究で作成した相関式を用い、臨界温度,臨界庄力および物質の形状を表わす偏心係数の3定数を与えることにより、各種冷媒の飽和蒸気庄を高精度で推算することが可能となった。
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