研究課題/領域番号 |
61550180
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械力学・制御工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
葉山 真治 東大, 工学部, 教授 (00010687)
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研究分担者 |
渡辺 辰郎 東京大学, 工学部, 助手 (70011179)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1986年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | スロッシング / 浅水波 / 非線形振動 / ソリトン / 石油タンク / 地震 / 溢流 |
研究概要 |
容器内液体の液面揺動すなわちスロッシングの液面上昇量を正確に求めることは、地震時における液体貯槽の防災上から非常に重要な問題である。被害が生じる程度に液面上昇量が大きくなると、液面変位を記述する基礎式が非線形偏微分方程式となり、解析は非常に困難になり数値計算によらざるを得ない。しかし、三次元の流体振動の応答を数値計算によって求めるのもまた大変である。液深が浅い場合には平行流として取扱うことが出来て、二次元の流れとなり、解析は容易になる。そこで、この浅水波理論を基にして有限深さのスロッシングを解析した結果、液面流速を代表流速として選び、深さ方向に積分した形で液面変位の式を表すと、有限深さのスロッシングも二次元流れの問題に帰着出来ることが分った。この式をさらに検討した結果、非線形波動の研究に利用されている格子ソリトンの解法が応用出来ることが明らかとなった。すなわち差分法によって基礎式を離散化するときに生じる分散性をインプリシットに利用することで、非線形性と分散性をうまくバランスさせて安定した計算が出来るようになった。長方形容器のスロッシングの非線形応答をこの方法で計算したところ、比較的浅い場合には過渡応答も定常応答も実験結果と極めてよく一致し、本計算法の妥当性が確認された。なお、液深が深くなるにつれて、離散化による分散性だけでは計算の安定性を確保するのがやや困難となり、さらに検討の余地があることも分った。この点と円筒容器の場合の計算法への拡張については今後の課題としたい。
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