研究概要 |
波浪エネルギーは化石燃料やウランのように枯渇することなく, かつ日本の周辺に豊富に存在するため, 我国の將来の重要なエネルギー源となりうる. しかし, 実用化のためには入波するエネルギーレベルや波形, 波長などが著しく変動するため, 最大エネルギー変換器を維持する制御を行う必要がある. 1)まず, 最適浮体形状に対する研究を行った. 入射波によってエネルギー変換の浮体を上下および回転運動させる場合に浮体の形状が大きく変動効率に影響する. そこで規則波入射に対して2浮体型システムにおける最適浮体形状を理論的に検討した. (論文1). 2)また, 不規則入射波に対して最大エネルギー変換のできるように予測制御を理論的に研究し, シミュレーションによって実証した. 対象は1浮体とし, 入射波による上下運動について研究を行った(論文2). このときの制御則はPI, PID制御則である. 3)所で知識工学による制御は現在のところ静的な問題を扱うことが主であるから, 直ちに本対象に適用するには理論的, 実際的に困難である. そこでまず, 2次安定系や不安定系を対象としてプロダクションシステム, 適応プロダクションシステムを構成して理論的に検討した. この結果によれば知識工学の概念によって動的制御も可能なことが判明した. (論文予定3)従って複雑なエネルギーシステムにも知識工学の概念は適用できる見通しがついた. 4)さらに, 不規則入射波に対して浮体の回転運動も含む予測理論を研究し現在発表を準備中である. (論文予定4) 今後の研究の展開に関する計画 知識工学の概念を動的制御に適用するには(1)適切な制御則, (2)学習制御のアルゴリズム, (3)適切な計画速度が必要であり, 今後は2浮体変換器について大型計算機による研究をを計画中である.
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