| 研究概要 |
本研究では, 放送形計算機網として, CSMA/CDローカルエリアネットワークとアロハ形予約衛星パケット通信網を取り上げた. 上位レベルプロトコルの影響を考慮するために, その最も簡単な形として, 送達確認(υc-knowledgment:ACK)機能のモデル化・解析を中心に研究を行った. 解析には, 平衡点解析の手法が用いられた.
まず, slotted1-persistent CSMA/CDシステムにおいて, ACKトラヒックがシステムの性能に及ぼす影響を調べた. 特に, ACK長とデータパケット長との比J/Hやデータパケット伝送時間とチャネル伝搬遅延時間との比Hなどの重要なシステムパラメータがいかに性能に影響を及ぼすかを検討した. また, 同じシステムにおいて, ACKにデータパケットに対する優先権を付与し, ACKの無衝突伝送を実現する優先ACK方式の性能も解析した. そして, 優先ACK方式が従来の非優先ACK方式に対し, どのように性能を改善するかを定量的に明らかにした.
同様のACK問題を, アロハ形予約衛星パケット通信網についても検討を行った. ここでも, 非優先及び優先の両ACK方式を考え, 各々の性能を解析した. また, ACKトラヒックの存在が最適フレーム長の決定に及ぼす影響について考察し, その影響は低負荷では小さく, 高負荷になると大きいことを示した. 更に, ACKに優先権を付与することによって, システムの安定性は増大し, 性能全般が改良されることも明らかにした.
CSMA/CDシステムについては, ACK問題の他に, 端末におけるパケットパッファ容量の決定問題も扱った. 2つのキャリアセンス方式(slot-ted nonpersistent及び1-persistent)と2つのパケット送出方式(ゲート式及び制限式)との組み合わせによって得られる4つのパケット送信方式について, パッファ問題の検討を行った.
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