研究概要 |
縄文土器画像(一般の画像)の計測処理システムを構成し, 各種のソフトウェアの開発を行い, その自動分類のための各種実験を行った. 以下に本研究所における成果の概要を示す. 1.ほぼ200種にのぼる縄文土器画像の計算機ファイルができた. このファイルからはそのハードコピー, CRT表示が任意に行えるようになった. 2.ファイルされた画像から輪郭線が抽出でき, これに基づいて各土器の形状パラメータをすべて計算した. 3.閉曲線のコード化の新しい方法-EPAC-を開発し, その有効性を土器の同定実験によって確かめた. 4.上の処理をすべてパソコン上でも行えるようにした. 5.同種実験を横顔シルエットの同定についても行い, それが有効に利用できることを示した. 6.土器文様からの特徴を抽出するため, テクスチャ解析のためのいくつかのマスクを開発した. しかしこれには残された問題も多い. 7.ディジタル画像を極座標変換する必要性も考えられるので, そのための能率的な方法を開発した. 8.土器画像の画質を向上させるための一つの繰り返し法を提案し, それによる画像修復の実験を始めた. 9.上の修復法では, 心理学的に見て"見易い"画像をコンピュータと対話的に求めていることができるので, そのための一つのパラメータの設定法の検討をはじめた. 10.上記6789を結びつけて, 総合的に縄文土器の画像の処理をしていくことは今後の問題である.
|