研究概要 |
本研究は、筆者の提唱する『コンピュータ解剖技術CAT』を実現すべく、人体のような中身の詰った3次元物体のディジタル像(3D像)をコンピュータに生成し、領域分割等の3D像処理を施し、人体解剖のように3D像を任意に切出し立体表示するという総合技術の基礎研究を行なうものである。 1.3D像の並列処理アルゴリズムの開発 3D像の距離変換,骨格検出,領域検出,連結成分の体積表面積算出,法線ベクトル算出等の並列化アルゴリズムを考案し、計算機シミュレーションにより正当性を検証した。又、並列処理に必要な基本機構を明らかにした。 2.3次元並列処理コンピュータPIPE-【II】のハードウェア設計製作 16台の高速マイクロプロセッサと大容量4次元画像メモリ,キューブバッファメモリ,シフトキューブレジスタ,管理プロセッサ等から成るマイクロプログラム制御方式の3次元並列処理コンピュータPIPE-【II】を設計製作した。 3.PIPEのファームウェア作成ツールの開発 PIPEの1語186ビット幅のマイクロプログラムを能率よく作成し自動登録できるようにするために、図式で高水準記述のできる会話型ファームウェア作成ツールFADETをPASCAL言語を用いて開発した。 4.3D像の立体表示ソフトウェアの開発 3次元物体の内部構造を記述する"埋め込み構造図"を考案し、その内部構造を6種類の方法で任意に切出して立体表示するという3次元グラフィックスのソリッドモデルとアルゴリズムを考案し、そのプログラムを作成した。 5.3D像の生成実験 人体撮影用X線装置を借用しX線射影データを収集した。そして筆者らの再構成理論に基づき3D像の生成を試みたが、良い結果は得られなかった。サンプリング走査法に改良が必要である。
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