研究概要 |
データベース処理,画像処理など、大容量データの高速処理を必要とする応用分野が急増しているが、このような二次記憶入出力負荷の重い分野では主記憶内のアルゴリズムの性能以上に二次記憶系への入出力性能が極めて重要である。即ち、メインフレームOS上の汎用入出力ドライバではその効率の低さから大容量データの入出力操作に極めて多大な時間が必要となり、著しく低い性能しか得られないのが現状である。 本研究では大容量データベースなど入出力負荷の重い応用分野に対し、問題適合性を有する高性能二次記憶入出力ドライバの構築を行った。データベース処理を例にとり、ブロック長,エクステント長,アクセスパタン,ブロック数,ファイル編成情報,バッファ管理アルゴリズム,インデックスの有無など、大容量データアクセスに関する種々の情報を知識として取り込み可能な適合型入出力ドライバを設計し、現有の汎用ミニコンピュータ(MELCOM50)上に実装した。E-TIME,C-TIME,I/Oカウントなどの測定ルーチン,並びに、処理モジュール毎の入出力負荷,データセット毎のアクセス頻度等、性能評価解析ルーチンの開発を行い、試作ドライバの評価を行った結果、従来のドライバに比べて極めて性能が高いことが確認され、データベースシステム全体としては5倍以上の高速化が達成された。更に、ディスクの並列駆動機能を強化し、我々が数年来研究開発を進めている機能ディスクシステムに対し実装を行い、並列ディスクシステムの性能評価も行った。従来のOS/9カーネルのドライバを利用した場合に比べ10倍以上の性能向上が達成された。 今回試作はデータベース応用に限定されており、より多くの応用に一般化することが今後の課題である。
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