研究概要 |
多目的型ICAIシステムを構築するためには, (1)各分野ごとに問題を解決するための問題解決器の設定 (2)問題解決器に与えるドメインに関する知識及びそのメタ知識の付与 (3)学生の理解状況を推測するための学生モデルの構築 (4)教示を円滑化するためのインタフェースの作成 が必要である. 本研究では特に(2)(3)について, 基本的研究を行なった. 一般にICAIシステムを知識工学の手法を用いて実現をしようとすると, 学習対象の問題を解くためのドメイン知識と, それに対応して学生が誤って用いると思われるバグに関する知識の整備が必要といわれている. しかし, バグに関する知識を集収し, 学生がどの時点で誤った知識を用いたか推測することは非常に困難な問題である. 発想を変えて, 正しく問題を解くために必要な指針を教示してやることにより, 誤った知識の適用を未然に防ぐようなシステム構築をめざした方が, 多目的型ICAIの構築が容易となる. しかしながら, 問題解決のノウハウ的知識を人間が与えることは決して容易でないため, システムが実際の例題を解く際に得た体験を一般化した技法をノウハウとして学習者に教示させることが必要となる. この目的を達成するために説明に基づく学習法を用いた戦略学習システムを作成した. また学生モデルとして, 学生の理解状況をより適格に把握するものとして真理維持機構(TMS)を用いるのが望ましいため, TMSを作成した.
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