研究課題/領域番号 |
61550300
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計測・制御工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
倉光 正己 京大, 工学部, 助手 (40026084)
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研究分担者 |
三宮 信夫 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (60026044)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
500千円 (直接経費: 500千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 非線形回路網 / 強非線形 / 散逸関数 / 発振器 / 弛張振動 / 平均ポテンシャル |
研究概要 |
筆者等は系の線形、非線形抵抗できまる散逸関数の時間平均として平均ポテンシャル関数を定義し、散逸の小さい弱非線形系では、安定な定常状態は平均ポテンシャルの極小値で与えられることを示した。これにより、定常状態は系の損失の極小状態に対応するという物理的意味が明確になった。また定常状態を求める計算は、平均ポテンシャルを構成しその極小点を求めることに帰着するから、多自由度発振器のような複雑な系の解析に有効である。 本研究の目的は、上述の方法を散逸項の大きい、いわゆる強非線形系に拡張することである。本年の研究では、次の諸点が明らかとなった。 1.強非線形系の解析法として知られているガレルキン法と平均ポテンシャルの関係を明らかにした。その結果、安定な定常状態は、ある制約条件のもとでの平均ポテンシャルの極小点として得られることがわかった。 2.上記の結果を用いると、負性抵抗発振器の基本モデルであるvanderPol方程式において、非線形性が強くなると共に波形が歪み弛張振動となり、それに伴い振動周期が長くなるという周知の現象を、物理的に説明できた。 3.2自由度系では、非線形性が強くなると安定な弛張振動の数が増加し、それらの周期は、2の場合と異なり、一定値に近づくことを見出した。このような現象の生じる機構を明らかにした。2と3で述べた結果は、弛張振動の発生機構を説明するものとして、基本的で重要な知見である。 4.上記の結果から、能動素子が1個の系では、3自由度以上の系でも、安定に生じる振動を容易に予想する方法を確立できた。 5.以上の結果を発展させれば、能動素子が複数個存在する系の現象を予想し、かつ解析する方法が確立できると考える。今後の目標である。
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