研究概要 |
疲労許容応力度を決定するため日本および外国の疲れ試験データの収集および整理を行なった. 収集したデータは, これまでの溶接継手に加えて, リベソト継手, 高力ボルト継手など多岐にわたった. 溶接継手については, これまでのようにパーソナルコンピュータを用いたデータベースに入力した, その結果, データは約650系列, 6500個となった. また, リベット継手や高力ボルト継手のデータに関しては, 別のシステムを作成することを考えた. 具体的には, 現行のパソコン上のデータベースの改造と, dBASEII等の市販のデータベースシステムを用いることを検討した. また, 本年度はJSSC(日本鋼構造協会)疲労設計指針の改定案に対して, A〜Gまでの設計S-N線図(継手等級)に該当する継手分類を与えることを試みた. その結果, 標準的な継手に対しては十分本データシステムの有効性行が証明された. ただし, このような検索や処理に関しては, 十分疲労の知識を有する者が作業を行なう必要のあることがわかった. さらに, 疲労設計指針の改定や実構造の派生応力ひん度の計測等を通じて, 低応力範囲, すなわち長寿命域での疲れ試験データの重要性がわかった. そのため, 今後長寿命域での疲れ試験や解析が必要となってくる. 外国とのデータ交換に関しても, 「疲れ試験データワークショップ」が米国で開催され, 論文発表を通じて今後のデータの相互交換の可能性を検討した.
|