研究概要 |
近年の大型建設機械への導入や施工条件の厳しさ, 新工法の採用などにより, これまでのように, 現場技術者の豊なノウハウに基づいて工事計画を策定する事が困難となり, 工事計画策定時の事前検討や, 工事最中の対策確立の方法の開発が強く望まれている. そのため本研究では, (1)工事進捗状況の事前シミュレーションモデルの開発を行うとともに, (2)このモデルを活用して合理的な工事計画作成のためのシステム構築を行うことを目的とした. 1.施工シミュレーションモデルの開発(昭和61年度) (1)概略工事計画案を座標式工程表の上で開発した. (2)実行可能性や技術面・運営面での合理性を確保するため, GPSSを用いた作業工程のシミュレーションモデルの開発を行った. (3)同モデルと連動する工事進捗の物的シミュレーションモデルを開発した. (4)(2), (3)のモデルによる詳細な検討から明らかとなった問題点を解析するように概略工事計画案を改良する方法に関して, 概念的な検討を行った. 2.施工シミュレーションモデルの都市高速道路建設工事への適用と工事計画策定システムの構築(昭和62年度) (5)本モデルの適用によって, 施工上生じる各種の問題点を, 実行可能性・安全性の面からチェックする方法を検討し, 本モデルの有用性を確認した. (6)施工上の問題点や原因結果特性を発見するため, モデルの出力結果をもとに技術者へのヒアリングを実施し, モデルの改良点を明らかにした. (7)原価・品質・安全・日程等について, 合理的な水準でバランスのとれた工事計画を作成する方法を検討し, 高速道路工事計画における本モデルを中心とするシステム構築を提案した. 今後の課題として, 設計情報データベースの改良, エキスパートシステムの知識獲得ツールとしての利用がある.
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