研究課題/領域番号 |
61550338
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
コンクリート工学・土木材料・施工
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
井上 正一 鳥取大, 工学部, 講師 (10032286)
|
研究分担者 |
吉野 公 鳥取大学, 工学部, 助手 (40135835)
|
研究期間 (年度) |
1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 疲労 / 疲労寿命 / 疲労強度 / S-N線図 / マイナー則 / 対数正規分布 / せん断破壊 / 曲げ破壊 |
研究概要 |
本研究は、海洋コンクリート構造物の疲労性状を解明するための手始めとして、気中および水中環境下における鉄筋コンクリートはり(以下RCはりと称す)の疲労特性と繰返し載荷に伴うたわみやひびわれ等の変形特性を明確にするために計画したものである。すなわち、コンクリート強度、鉄筋比せん断スパン比(a/d)、せん断補強の有無等を要因に選んだ種々のRCはりを作製し、これら要因がRCはりの破壊様式に及ぼす影響、破壊様式が疲労強度や変形特性に影響等の検討、さらには結果の設計への適用性を研究実施計画に基づいて検討してきた。以下に得られた成果の一部を要約する。 1)RCはりの疲労寿命の分布形は対数正規分布で近似できる。 2)RCはりの破壊様式は水中と気中で異なり、気中で曲げ破壊するはりであっても水中においてはせん断破壊になり易い。このせん断破壊はコンクリート強度が高くなるに伴って、斜め引張からせん断圧縮、さらには斜めひびわれとの交差位置の主鉄筋破断型の破壊へと移行する。 3)水中におけるRCはりの200万回疲労強度は気中におけるよりも15〜25%程度小さくなるが、a/dが大きくなるに伴って、さらには鉄筋指数の減小に伴って、この低下の程度はやや小さくなる。 4)水中環境下にあるRCはりのせん断補強は気中におけるほどには期待できないが、スターラップを配置することによって、配置しない場合よりも疲労寿命を長くできかつ疲労寿命のばらつきを小さくできる。 5)部材レベルのS-N線式を基準にすれば、変動繰返し荷重を受けるRCはりの疲労寿命の推定にマイナー則がほぼ適用できる。 6)水中では、曲げひびわれ幅は気中よりも小さいものの、同一荷重作用時のたわみは気中よりも大きく、さらに斜めひびわれの発達・進展速度は極めて大きい。等の知見が得られた。
|