研究課題/領域番号 |
61550373
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
柿沼 忠男 愛媛大, 工学部, 教授 (70036408)
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研究分担者 |
井内 国光 愛媛大学, 工学部, 助手 (90145061)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 海岸地下水 / 移流分散モデル / 塩水侵入 / 潮汐変動 / 地下水流入量 / 揚水形態 / 飽和・不飽和帯 / 肥料汚染 |
研究概要 |
本研究は臨海部における地下水の挙動を移流分散モデルに基づいて解明しようとしたものであって、その研究実績の概要はつぎのようである。 1.無揚水二次元非定常分散モデルに基づく数値解析を行い、潮汐変動に伴う塩水侵入の状況をみると、海水が最も内陸部に侵入する時刻はほぼ潮位が下げ潮時の平均海面に達する時刻であり、これは淡塩水境界面モデルにおいて境界面が最も内陸部に侵入する時刻にほぼ一致していること、上流部における地下水流入量の増減に伴い塩水が後退および侵入する場合は淡塩水境界面モデルの場合とその傾向を一にすること、など海岸被圧地下水の挙動を明らかにした。 2.二次元定常分散モデルに基づく数値解析を行い、海岸付近における下層揚水は塩水侵入の抑止に役立つことなど種々の揚水形態による海岸被圧地下水の挙動を明らかにした。 3.柑橘類を主産業とする愛媛県興居島の5地区において塩化物イオン濃度,硫酸イオン濃度,硝酸性窒素イオン濃度,電気伝導率の鉛直分布測定と地下水位測量を実施するとともに、北浦地区の2定点において地下水位の自記記録を得て、由良地区の海岸付近では慢性的な塩水汚染が生じていること、電気伝導率から推定した溶存成分濃度と塩化物イオン濃度の差は硫酸イオン濃度および硝酸性窒素イオン濃度ときわめて強い重相関を示すとともにそれらの地域分布は非常に良く似ており、前者は肥料に起因すること、などを得た。 4.飽和・不飽和帯における二次元分散モデルに基づく数値解析を行い、塩水侵入に関する定常解析では分散係数が小さくなるにつれて飽和帯における濃度分布は強混合型から緩混合型に移行することなど種々の分散係数や雨量強度による地下水の挙動を明らかにした。 5.現在、海岸地下水の三次元非定常挙動を解明するために、徳島県那賀川河口および愛媛県興居島において得た調査資料に基づいて、その分散モデルによる数値解法の開発に努めている。
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