研究課題/領域番号 |
61550374
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
上田 年比古 九大, 工学部, 教授 (30037692)
|
研究分担者 |
河村 明 九州大学, 工学部, 助手 (10177735)
神野 健二 九州大学, 工学部, 助教授 (80038025)
|
研究期間 (年度) |
1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 適応的カルマンフィルター / 異常降水 / 降水パターン / 渇水 / 降水予測 / セルフチューニングコントロール |
研究概要 |
1.降水時系列の異状降水の解析:降水時系列を1つの動的システムからの出力とみなし、これを周期的確率変動モデルで表し、まず通常のカルマンフィルターを用いて平均的降水パターンを算出し、次に、実降水のこれからのずれの度合を異常検出指標より求めて、降水の異常な期間とその異状性の度合を客観的かつ定量的に検出するとともに、その異常降水の特徴を調べた。その結果、異常降水のタイプは3つに評価分類され、渇水に陥る異常降水タイプとしては、少雨のみが継続して渇水に陥るタイプと多雨が途中で出現する可能性のある渇水タイプがあることが示された。 2.適応的カルマンフィルターによる降水時系列の異常値の検出と予測手法の検討:周期的確率変動モデルのシステムパラメーターを適応的カルマンフィルターにより同定してゆき、対象の降水時系列のシステムパラメーターが変化した時点とその量を固定することにより、降水時系列を同じシステム状態量をもつ幾つかの降水区間に分割できることを示した。ついで、それぞれの区間の降水パターンの特徴を、システムパラメーターの同定結果や異常降水タイプの出現率などから検討した。また各区間毎に渇水持続曲線を作成し、各区間の渇水持続曲線の差より多雨区間、平年並降水区間および渇水区間における利水安全性の違いについて検討を行った結果、各区間によって渇水に陥る確率が大きく違うことを示した。さらに各区間の降水パターンの特徴を考慮して降水予測を行えば予測精度がかなり向上することが示された。 3.貯水池入力に異常を含む場合の貯水池最適利水操作法の確立:貯水池流入量をリアルタイムで予測しつつ最適放流量などを求めてゆく手法としてセルフチューニングコントロール理論をシミュレーションスタディに適用した結果、これが流入量に異常値を含む場合の貯水池操作にも効果的であることが示唆された。
|