研究概要 |
1.十分に幅広で一様かつ一定勾配の矩形断面開水路の底面に粒径11.0mmの礫をはりつけ水理学的に十分粗面とした水路を用いて一様開水路流の乱流計測を行い、1横断面内の455計測点における計測結果から下に託す開水路粗面乱流の内部構造に関する基本的諸量を求めて無次元図表示した。この図面の作成に当ってはHermiteの2次元補間法を使用し、すべての実験点を滑らかな曲面あるいは曲線で結合して表示した。 (1)主流速の横断面内分布図〈U〉+【〜!U】/Um(〈U〉は底面から高さを同じくするすべての測点のUの値のアンサンブル平均、【〜!U】:〈U〉からのuの変位量(2次流成分)),(2)(1)の等値線図,(3)【〜!U】の時空間相互相関図,(4)【〜!U】の横相関の横断面内分布図,(5)u',v'の各乱れ強度横断面内分布図,(6)【√!(~!(U^(12)))】/【U_m】,【√!(~!(v^(12)))】/【U_m】の各横断面内等値線図,(7)Reynolds応力の横断面内分布図,(8)-u'v'/【U(^2-m)】の横断面内等値線図,(9)【-!〜!v】/Um及び(u-【(u!〜)_F】/Umの横断面内分布図,(10)Ejection-like event及びsweep-like eventに寄与する上昇流または下降流の2点同時生起確率の横断面内分布図,(11)回転スペクトル回転係数の横断面内布図。 2.1に記した実験の可視化写真からイメージスキャチにより讀取った2値化されたデータよりLarge-Eddy Simulationの定量解析を行うためのシステム及びプログラムの開発を行った。しかし計算時間不足のため具体的な解をうるには至らなかった。これについては今後さらに研究を進めてゆく。 3.小規模乱れにおいても発生するコヒーレントな乱れ構造を研究したNovikovの方法と同様の方法によりNavier-Stokes方程式の最も簡単なカスケードモデルの方程式に基づいて大規模渦構造の研究を行った。しかし研究は末だ小規模乱れの範囲にとじまり大規模乱れを取り扱うまでには至らなかった。今後さらに研究を重ねていく。
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