研究課題/領域番号 |
61550390
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
都市工学・衛生工学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
大村 達夫 岩手大, 工学部, 助教授 (30111248)
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研究分担者 |
海田 輝之 岩手大学, 工学部土木工学科, 助手 (30117072)
大垣 真一郎 東京大学, 工学部都市工学科, 助教授 (20005549)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 大腸菌群 / 腸球菌群 / コリファージ / 連続流完全混合藻類培養槽 / 死滅速度係数 / 不活性化 / 藻類代謝生産物 |
研究概要 |
富栄養化水系と考えられる連続流完全混合藻類培養槽内において、指標細菌である大腸菌群および腸球菌群の挙動さらにはウイルスの指標と考えられるコリファージの挙動が調べられた。これら指標微生物の挙動が調べられた藻類培養槽内の水質は、流入水が有機物を含んでいないにもかかわらずCODcrで約20ppmであり、藻類の代謝生産物が多く存在していることを示している。このような藻類培養槽内において、大腸菌群および腸球菌群とも速みやかに死滅し、増殖するようなことはなかった。すなわち、両細菌群とも藻類が放出した有機物を有効に利用して増殖をすることは不可能のように思われる。しかしながら、腸球菌群には観察されなかったが、大腸菌群にはそれらの生存曲線に抵抗相がみられその環境に適応していく能力が存在することを示している。特に、これら大腸菌群のうちEcoliはその抵抗能力が最っとも強く死滅速度係数も最っとも小さいので、藻類が存在するような富栄養化水系において指標細菌として最っとも優ぐれているものと考えられる。また、両細菌群の藻類へ吸着による見かけ上の死滅現象が実験結果に影響を及ぼしている可能性があるので、遠心分離したサンプルとしないサンプルの細菌数の測定を行なった。その結果、遠心分離したサンプルでは、しないサンプルの細菌数の10分の1から100分の1の間の値となった。しかしながら、細菌数の高いところから低いところまで一定の割合で減少することから、死滅速度係数の算定にはほとんど影響がないものと思われる。次に、コリファージの藻類培養槽内の挙動であるが、藻類が存在する場合と存在しない場合で比較した所、藻類の存在するほうが、コリファージの不活性化が大きく、藻類の代謝生産物などによってコリファージが不活性化される可能性を示唆している。また、溶存酸素が高い場合、コリファージの藻類への吸着が促進されるという研究もあるが本実験では確認できなかった。
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