| 研究概要 |
1.鉄骨骨組の高精度非線形解析法の開発:鋼材の応力-ひずみ関係の仮定をもとに弾塑性座屈まで解析し得る骨組解析プログラムである. 大型計算機の利用を前提に開発した鉄骨骨組の弾塑性有限変位理論に基づいたプログラムをスーパーコンピュータのマトリックス演算機能を最大限に有効利用し得るように改良し, さらにせん断変形を考慮できるようにした.
2.鉄筋コンクリート骨組の高精度非線形解析法の開発:鉄筋およびコンクリートの応力-ひずみ関係, 鉄筋とコンクリートの間の付着応力とすべりの関係, 接合部パネルの変形, 鉄筋の抜け出し等を考慮した弾塑性解析法を開発した. ひずみ軟化を考慮した場合, 分割要素法によると解は要素の大きさに左右されるため, コンクリートの応力-ひずみ関係において圧縮ひずみが増加する限りにおいては応力解除が生じないようにし, ひずみ軟化を直接的には扱わない方法を用いた.
3.鉄骨鉄筋コンクリート骨組の高精度非線形解析法の開発:上記1.2.の理論をもとに鉄骨鉄筋コンクリート骨組の弾塑性解析法を開発した. 特に鉄骨とコンクリートの間のすべりを考慮することができ, 鉄骨と鉄筋コンクリートの応力分担を評価できるところに特徴がある.
4.不安定構造物の解析法の開発:非線形構造解析を行う際に剛性方程式の解が不能あるいは不定になることがよくある. このような問題に対し, 近似解を一つの解として設定することにより非線形構造解析を続行させる方法, および材料非線形問題を扱う際に生じる不釣り合い力を載荷経路を制御することにより合理的に解除する方法を開発した.
5.骨組解析を主目的に行ったが, 建築構造の重要な構成要素である板殻についても数理展開上明解な有限要素法の開発を行った.
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