研究課題/領域番号 |
61550423
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築設備・環境工学
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
窪田 英樹 室工大, 工学部, 助教授 (90002930)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 過渡的温熱感 / 低温居住環境 / 暖房環境 / 暖房負荷 / 室温変動 |
研究概要 |
人体の皮膚温変動に関して線形近似を適用して過渡的温熱感を評価するための基礎的実験を行った。はじめに、被験者の平均皮膚温に関するインディシャルレスポンスを得るために、環境温をステップ状に変化させる実験を行った。これは被験者自体が温度の異なる二室間を速やかに移動することにより実現した。ここで得られたインディシャルレスポンスは、二項の指数項で近似でき、0.1時間及び 3時間を夫々の近似的時定数として得た。 ついで、今回の研究の主テーマである、線形近似した理論解の有効性を検証するために、2種類の室温変動状態におかれた被験者の皮膚温実測と理論的予測値との対応を試みた。 実験をおこなった室温の状態は、次のようである。 a.室温上昇中の室内へ入室した時の被験者の皮膚温変化 b.室温の上下変動時の皮膚温変化 いずれの実験においても、皮膚温の理論予測値は実測値と概ね一致しており線形近似の有効性がほぼ確認された。しかし、過渡的温熱感は皮膚温のみでは特定できず気温に直接反応する傾向もみられ、今後の課題として残された。さて前者は、部屋の使用開始時にどの程度まで室温が上昇していれば寒さによる不快を感じないか、という暖房開始時の状態を想定したものである。部屋の使用開始時に 17〜18℃程度のレベルに達していれば、ほとんど不快を感じないであろうとの一応の結論が得られた。使用開始時までに設定室温まで上昇させるのが従来の考え方であり、この方法では放熱器の容量が極端に大きく算定される難点があった。今回の結果と室温変動理論の両者を総合して、上記問題を克服し得る合理的設計方法を現在検討中である。
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