研究概要 |
本研究の目的は、熱水及び不活性ガスの混合圧入によって油の採収率の向上を計ることにある。研究の第一段階として、従来の熱水攻法と水蒸気攻法と同じ実験装置を用いて、圧入ガス水比0.1,0.3,0.5,圧入水の温度を90℃として実験を行った。その結果油の採収率は、上記の三つの圧入ガス水比のうちGWR=0.3のときにもつとも良く、次に0.1の場合であり、0.5のときに最小となった。 以上の実験結果と従来の熱水攻法及び水蒸気攻法の結果を比較するために同じ圧力条件の下でそれぞれ実験を行った。その結果、水蒸気攻法による油の採収率は、熱水攻法のそれよりもかなり向上されることが判明した。また混合圧入法による採収率は、熱水攻法のそれよりも改善されるが、水蒸気攻法による採収率よりも劣ることが明らかとなった。 なお今回は圧入ガス水比をGWR=0.1,0.3,0.5の三つの場合についてのみ実験を行ったが、今後は種々の圧入温度、ガス水比の下で実験を行い、油の採収率が、それによってどの程度改善されるかについて検討する。またさらに数値シミュレータを開発し、実験結果について理論的に考察を進める予定である。
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