研究分担者 |
重野 芳人 東北大学, 選鉱製錬研究所, 助手 (70108570)
SAWAMOTO Takasi Faculty of Engineering, Kyoto Univ., Assistant (20026165)
TANABE Teruo Faculty of Engineering, Kyoto Univ., Assistant (90026237)
INOYAMA Naoya Faculty of Negineering, Kyoto Univ., Assistant (40025979)
KURACHI Mitsuo Faculty of Engineering, Kyoto Univ., Associate Professor (40025870)
NARITA Nobutaka Faculty of Engineering, Kyoto Univ., Associate Professor (10026213)
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研究概要 |
高炉内のソリュウーションロス反応に伴うコークスの粉化挙動を解明するため, 反応率と摩耗強度の関係を回転円板法を使用し, 求めた. 従来のドラム回転法では, コークス同志の衝突による機械的破壊と摩耗の2つの機構が同時に作用し, 摩耗に対する強度を独立に評価できないが, 本方法はこのような欠点が無いばかりか, 試料表面を0.1mm以内研磨するだけで強度が求められるため, 反応率分布を有する試料のローカルは強度の評価も可能である. そこで高炉内コークスの平均サイズの試料に強制的に反応率分布をつけ, その摩耗強度分布を測定した. 一方向に反応率分布を有する試料作成のためには, 円柱試料の一面のみを残し, 他の面からの酸化性ガスの侵入を防ぐ必要がある. そのためには高温でガス機密性を保障する接着剤の開発が必要であり, 高温において固-液共存相となるように組成調整したNa_2O-SiO_2系セメントは熱膨張率の差に起因する応力を緩和するできるため, 高温でもセメント内にクラックが生成せず当研究に使用可能なことを見出した. このセメントを使用し, 治金および成型コークスを高炉炉胸部のガス成分に類似した混合ガス中で一方向から酸化させ, 耐摩耗強度と反応率の関係を求めた. その結果, 1)耐摩耗強度を表すために提案した指数, 酸化性ガスの種類あるいは反応温度によらず, 反応率と一次の関係にあり, 2)気孔を含むコークス試料全体の耐摩耗強度と基質強度は, 本研究で提案された指標により各々独立して評価され, 3)気孔を含むコークス試料全体の耐摩耗強度は反応率が増大するにつれて急激に低下するが, 基質強度はそれ程大きく減少しないことがわかった. したがって高炉内におけるコークスの粉化の原因は, 気孔の拡大による試料バルクの摩耗抵抗の減少によるところが大であるという結論を得た.
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