研究概要 |
計画調書に記載の研究計画・方法に沿って研究実績の概要を述べる。 (1)熱重量法試料の作成 以下BaOをB,【Fe_2】【O_3】をFと記す。作成した試料は、【B_5】【F_1】,【B_3】F,BF,【B_2】【F_3】,【BF_6】,【B_2】F+BF,【B_2】【F_3】+【BF_6】,【BF_6】+Fであり、1000℃から1200℃までの温度で粉砕,混合,焼成を繰り返し、目的生成物を得た。X線回折によって確認した。 (2)酸素分圧の制御 【O_2】,Αγ-【O_2】,【H_2】-【H_2】O,Αγ-【H_2】-【H_2】O混合ガスを前2者は純ガスを混合して、後2者は純ガスの混合と一定温度の水の水蒸気を飽和させることによって調製した。これによって1〜【10^3】atm,【10^(-14)】〜【10^(-21)】atmの間で酸素分圧を制御することができた。 (3)900℃における平衡質量の測定(1)で作成した各試料を使って、【Po_2】の関数として平衡質量を求めた。これから初期質量との差を算出し、【Po_3】の関数として平均酸化鉄組成を求めた。 (4)BaO-Fe-【Fe_2】【O_3】系等温断面図の作成(3)の結果を0/Fe比対log【Po_2】図としてまとめ、相律から3凝縮相平衡で自由度f=0 2凝縮相平衡でf=1となり、前者では一定のlog【Po_2】で不連続的質量変化が、後者ではlog【Po_2】変化に伴う連続的質量変化が起こり、f=0とf=1が交互に起こることも考慮に入れて、等温断面図を作成した。なお、f=0に代ってf=2の起こる可能性も考慮した。その結果、Fe-BaO-【B_5】F,Fe-【B_5】F-【B_3】F,Fe-【B_3】F-X,Fe-X-Y,Fe-Y-FeOの5つの3凝縮相平衡の存在が明らかになった。これらはカプセル法によってさらに確認する必要がある。 (5)セルによるBaO活量の測定 Ba【F_2】焼結体を固体電解質として、2凝縮相平衡時のBaOの活量を大気中で測定した。しかし、平衡致達が非常に遅いこと固体電解質が900℃以上の温度で反応が激しく不安定であり、信頼できる起電力が得にくいことが分かった。
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