研究概要 |
1984年にシエヒトマンらによってAl-Mn合金においてアイコサイドラル相(準結晶)が発現されて以来, 準結晶は種々の系において発現されるようになった. たとえばAl-(Cr, V, Ru, Mo, W)などである. ほとんどの場合急冷凝固により作成されている. 急冷凝固は液体を過冷却させて凝固させるためのひとつの方法であり, Al-Mn系の単ロール急冷凝固においては8.8〜22at%Mnの組成範囲において準結晶を作成できることを明らかにした. Al-6.2at%を急冷凝固した試料の連続加熱時においては, 過飽和固溶体のα相からの析出により形成された準結晶が593Kで観察され, 透過電子顕微鏡およびX線回折により確認された. 準結晶の形態と成長特性について電子線回折により調べたところ, 20個の3回対称軸方向に優先成長することが明らかになった. 急速凝固したAl-Mg系において準結晶に似た結晶が見つかった. これらの結晶は結晶学的には構造解明されていないが, しかし, 準結晶と極めて類似した構造を有していることが明らかになった.
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