研究課題/領域番号 |
61550522
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
須賀 唯知 東大, 工学部, 教授 (40175401)
|
研究分担者 |
松岡 信一 東京大学, 工学部, 助手
石田 洋一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60013108)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
1986年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 固相接合 / 接合界面 / 電子顕微鏡 / 界面き裂 / き裂モデル |
研究概要 |
99.8%アルミナ単結晶及び多結晶と99.95%ニオブ単結晶及び多結晶の固相接合実験を行い、まず接合条件を明かにした。この結果従来の報告では1700℃、真空度【10^(-5)】Torrで接合が可能であるが、これに対し、真空度の向上により1500℃以下の温度で接合が可能であることが分り、これが酸素分圧とニオブのアルミニウム、酸素の固溶度の関係から説明できることを明らかにした。さらに、単結晶アルミナ-多結晶ニオブの接合実験からは、接合はまず結晶粒内で始まり、結晶粒界では未接合部が残ること、また、接合の進行と共に、ニオブの再結晶が進行し、これに伴う結晶粒界の移動によって、未接合部が減少していくという接合界面形成の過程が明らかとなった。この接合界面の破壊は、この粒界上の未接合部を起点として生じ、接合強度の比較的低い【(ITOO)_(Al_2O_3)】面では界面破壊が、接合強度の比較的高い【(0001)_(Al_2O_3)】面についてはサファイアのへき開が観察された。界面破壊エネルギーは、接合体から四点曲げ試験片を切り出し、切欠及びノッチをダイヤモンドソーで界面領域に入れて曲げ負荷をかけ、界面破壊を生じるときの荷重から算出した。この値は、単結晶同志の組合せと、多結晶同志の組合せの中間的な値を示し、また、破壊の向きに殆ど依存しないことが明らかとなった。この傾向は、単結晶同志の接合においても同様に見られ、界面破壊に伴う塑性変形が接合強度の結晶方位に及ぼす影響は少ないことを示している。電子顕微鏡においても、き裂の進展による定常的な転位の形成は認めがたく、むしろ界面の幾可学的な不均一性が局所的な転位の集中の原因となっていると考えられた。ただし、これにも結晶異方性の効果がみられるため、き裂モデルの異方性材料への拡張を行ない、界面き裂先端の応力場が接合界面での結晶方位に依存することを、解析的に明らかにすることができた。
|