研究課題/領域番号 |
61550527
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
佐藤 公子 電通大, 大学併設短期大学部, 教授 (30017321)
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研究分担者 |
橋本 稔 電気通信大学, 短期大学部, 助手 (60156297)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1986年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 形状記憶効果 / 疲労 / マルテンサイト変態 / 形状記憶合金 |
研究概要 |
形状記憶合金(SMA)の代表的なものであるTi-Ni合金の針金(1Φ)を用いて、予歪→加熱(回復)→冷却(変形)→加熱(回復)という形状記憶効果(SME)のサイクルを繰返す実験を行った。 実験は、長さ200mmの試片の一端を固定し、他端にワイヤー,プーリを介して負荷応力をかけ、そのままの状態で試片を加熱する方法で行った。加熱は、パルス巾電流を試片に直接流し、パルス巾変調方式によって加熱温度・加熱時間の調節を、コンピュータにより行った。冷却は、装置を水槽内に設置し、水を撹拌することにより常に一定条件でなされるようにした。このように、負荷状態でマルテンサイト相と母相間の変態を繰返えし、その時の試片の変形量を非接触変位計で測定した。変位の挙動は、SMEサイクル初期に大きく変化するが、負荷応力10Kg/【mm^2】の場合N(サイクル数)=100で安定状態になり、負荷応力が大きい程、早いサイクルでそこに達し、試片への永久歪の導入も早い。このことは後述の引張試験の結果からもわかった。疲労後の試片の諸性質を調べるために、疲労を任意のサイクルで中断し、それぞれの試片の引張試験,電気抵抗測定を行った。その結果、負荷応力10Kg/【mm^2】の場合は、N=50ではその応力-歪曲線にまだ超弾性領域を示す第一段階が残り、負荷応力14Kg/【mm^2】ではN=25でこの領域は全く消失することがわかった。温度-電気抵抗の関係を測定した結果、(5゜〜150℃間を測定)冷却時にのみ大きく現われるR相(中間相)の電気抵抗変化は、Nが大きい程、変化量が小さくなるが、R相の現われる温度には変化がないことがわかった。また、これらの試片の内部構造を調べ、疲労過程の解明を行っている。 SMAをロボットのアクチュエータに使用するためには、負荷応力と疲労寿命との関係を調べ、最適条件を見出す必要があるが、これは今後の課題である。
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