研究概要 |
本研究では爆接法により作製したステンレス鋼Al系, 黄銅/銅系, マルエージング鋼(M鋼と略記する)/Ti系, M鋼/Al系の異種材料多層複合材, Ti/Ti積層材および各種クラッド材を対象として下記の項目を調べた. 1.良好な多層複合材作製の最適爆接条件の確立: 平行法により, 爆速2400m・S級の爆薬を用い, E/M比(爆薬量と飛翔板の質量の比)1.5〜3で空隙や割れのない良好な多層複合材が作製できた. 2.多層複合材およびクラッド材の爆接界面波の解析: 各種多層複合材およびクラッド材について爆接条件と界面波の波長との関係を調べた結果, 衝突時の運動エネルギー損失と波長との間には比例関係が成立し, 比例定数は合金系により異なることがわかり, 波長を制御することができた. また飛翔板への爆轟ガスの圧力作用について考察した. 3.多量複合材の高温加熱に対する接合界面部の熱的安定性と機械的性質軽量高性能複合材を目的としたステンレス鋼/Al系, M鋼/Al系, M鋼/Ti系多層複合材について熱処理と機械的性質との関係を系統的に調べた. その結果, ある厚さまでの化合物形成は強化に寄与することを明らかにした. 4.爆接Ti/Ti積層材の接合界面の微細組織観察: 衝突速度を種々変化させて接合界面部を観察した結果, 断熱剪断帯の形式状況, マルテンサイド変態および高温変形による双晶や転位について調べた. 特に断熱剪断帯は界面にほぼ垂直に形成するものと平行に形成するものの2種類が観察され, その生成機構については今後さらに詳細な検討が必要である.
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