研究課題/領域番号 |
61550561
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業分析化学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
田中 龍彦 東京理科大学, 工学部第1部, 講師 (40084389)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1988年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
1987年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1986年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 精密電量滴定法 / ニオブの定量 / スズの定量 / ガリウムの定量 / 超伝導材料 / 超伝導材料の組成分析 / ノンストイキオメトリー / Nb_3Sn / 不定比組成の精密測定 / 精密電量滴定 / 超伝導ニオブ化合物 / ストイキオメトリー |
研究概要 |
化合物超伝導材料の臨界温度は、そのストイキオメトリーからのわずかなずれに影響されるため、それら化合物の不定比組成の精密測定が必要とされている。そこで本研究では、高い精度が得られる絶対定量法の電量滴定法を利用して、最も代表的な超伝導材料であるA15化合物の不定比組成を5けた以上まで正確に精密測定する方法の開発を試みた。 まず、超伝導化合物を構成する元素として最も多く使われているニオブの精密電量滴定法を開発した。具体的には、ニオブ (III) との反応により生じた鉄 (II) を電解発生させたマンガン (III) フッ化物錯体で電量滴定する間接法によった。ニオブの還元にはジョーンズ還元器を用い、亜鉛アマルガムの量、硫酸濃度、還元器中の保持時間など還元条件について検討した結果、約600gの亜鉛をアマルガム化して還元カラム (内径1.8cm) に詰め、3M硫酸中約16時間保持して還元し、還元器からニオブ (III) を完全に流出させるには約300mlの3M硫酸を用いればよいことが分かった。また、ニオブの加水分解を防ぐためにフッ化物錯体とし、還元から定量までを窒素雰囲気中で行うことにより、常量のニオブを正確に精密定量できる方法が確立できた。 次に,Nb_3Snの構成元素であるスズの精密電量滴定法について検討した。スズは、アンチモンカラムを通して2価に還元後、電量ヨウ素滴定する手法を用いて定量したが、従来の操作の不備な点を明らかにし、本研究目的の精度と正確さに見合うような最滴定量条件を確立した。 ガリウムの定量はEDTAとの錯形成反応を利用した電量逆滴定法によったが、滴定剤とし従来の亜鉛イオンよりもカドミウムイオンが有利であることを見出し、0.01%程度の誤差でガリウムを精密測定できる方法を開発した。 以上の検討結果を基に、実際にA15化合物の不定比組成の精密測定を計画している。
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