研究概要 |
WOP_2O_7を還元することにより, 層間に任意の量の腸イオンをインターカレートすることを試みた結果, 陽イオン一個が層間で占める面積を, 広い範囲で制御できるようになった. 得られた化合物の層間の陽イオンを, 他の金属イオンを, 他の金属イオンおよび直鎖のアルキルアンモニウムイオンでイオン交換した. 多くの場合, 交換率は80%以上であった. 得られた金属イオンによるイオン交換体の層間距離は, 層間に水分子を含まない場合には層間の金属イオンの大きさにあまり依存せず, 層間の水分子とホスト層との水素結合により層間距離が決定されているものと考えられる. アルキルアンモニウムでイオン交換した交換した場合, 層の持つ不電荷量の小さな場合には, アンモニウムイオンとして以外に一部が, 中性のアミン分子として取り込まれていることによると考えられる. アンモニウムイオンとアミン分子は, 層間において互いに接し, 層に対してほぼ垂直に配列していると考えられる. WOP_2O_7およびMOO_2P_2O_6には, ホスト層を還元することなくアミン分子がインターカレートした. MOO_2P_2O_6を用いた場合, 炭素数の小さなアミンについてはイオン交換の場合と同様の層間でのアミン分子の配列が考えられたが, 炭素数が大きい場合にはイオン交換の場合とは異なる配列を考えなければならなかった. MOO_2P_2O_6よりの化合物については, その詳細を現在検討中である. また、層の負電荷を酸化反応により制御する試みを、層状化合物LiNbO_2およびLi_<2MOO_3>を用いて行った。その結果、Li/Nbの比は1.0から0.5のLiMoの比は2.0から1.23のの範囲で制御が可能であった。
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