研究課題/領域番号 |
61550593
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学・複合材料
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
出来 成人 神戸大, 工学部, 講師 (10101065)
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研究分担者 |
梶並 昭彦 神戸大学, 工学部, 助手 (10169443)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1986年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 含水溶融塩 / 水の結合音・倍音 / 溶融塩中の水の挙動 / 炭酸イオン |
研究概要 |
アルカリ金属炭酸塩の水和物溶融体、高濃度電解質水溶液を、含水溶融炭酸塩の測定容易なモデルとして検討を加えた。また、Zn【Cl_2】、Ca【Cl_2】等低温でより低含水領域まで安定に液体状態にある系を選び、高イオン場中での水のモデルとして物性、構造変化に検討を加えた。 900〜1600mμの水の結合音、倍音領域について検討を行なった。【K_2】【Co_3】-水系、【Na_2】【Co_3】-水系では【V_1】+【V_3】バンド(C.a.1450mμ)は、含水量の低下と共に、長波長側への大きなシフトが生じた。これは、【Cs_2】【Co_3】-水系でも同様になり、アルカリ金属イオンによりシフト幅は、異なるものの、他のCa【Cl_2】、Zn【Cl_2】、Ca【(No_3)_2】、Nacl,Na【No_3】-水系が含水量の低下と共に、短波長側にシフトする挙動とは大きく異なり、水分子の状態が他の塩と異なることが示唆された。また、2【V_1】+【V_3】バンド(c.a970mμ)では、含水量低下と共に、強度の低下が認められた。また【V_1】+【V_2】+【V_3】バンドは、(c.a1200mμ)2つの吸収ピークが重なり、含水量低下と共に長波長成分の強度の増大が認められた。以上の900〜1600mμ領域の含水量変化による挙動は、同じような酸素酸アニオンを含む硝酸塩系とは、大きく異なり、より強く束縛された水分子の存在を示しており、炭酸アニオンの特異性が明らかとなった。またこの特異な挙動は、IRの【V_2】+Rockingバンド(c.a.2100【cm^(-1)】)でも認められ、【NO(-3^-)】イオン【Cl^-】イオンを含む他の系が、含水量低下と共に、低波数シフトするのに反し、著しい高波数シフトを示し、(100【Cm^(-1)】もの)、水分子の強い束縛状態が明らかとなった。含水量の低い領域におけるイオンの溶存状態、については、Zn【Cl_2】、Ca【Cl_2】-水系をモデルとして、【Mn^(2+)】イオンの挙動をVS、溶媒抽出法により検討を加え、イオンによる水の束縛が強い場合、【Mn^(2+)】イオンの周りの水分子が減少し、カウンターアニオンが、集り、配位子として存在していることが明らかとなった。
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