研究概要 |
燃焼効率に優れ, NOx発生量の少ない触媒燃焼をガスタービンなどの高温燃焼プロセスへ応用するには1400°Cを越える高温下での高い表面積を維持し, 酸化活性に優れる触媒の開発が必要である. マグネトプラムバイト類似の層状アルミネート, BaO・6Al_2O_3は優れた耐熱性を有することを見出したので, 本研究ではこの耐熱性担体の調製法および触媒活性成分の導入方法について詳細な検討を行った. BaO・6Al_2O_3の生成過程に及ぼす調製法の違いをX線回析法, 分析電子顕微鏡により検討した. 粉末混合法に比較しアルコキシド法は原料の混合度が高く, 組成が均一なので固相反応が進行し易く直接BaO・6Al_2O_3微粒子が得られ, 1600°C焼成後も10m2/g以上の値が得られる機構を明らかにすることを試みた. BaO・6Al_2O_3の優れた耐熱性について電子顕微鏡を用いて検討してところ, 層状アルミネート微粒子はC軸方向に垂直に広がった平板状微結晶から成り, 層状アルミネートが高温においても高い表面積を維持するのは結晶成長における異方性に起因することがわかった. 触媒活性成分を浸漬, 含浸法などによりBaO・6Al_2O_3に担持してメタンの高温燃焼を行うと触媒-担体間の固相反応により表面積は低下し同時に燃焼活性を著しく低下するので, BaO・6Al_2O_3への活性成分の導入方法としてカチオン置換法について検討した. この方法はアルコキシドの加水分解の際, 活性成分をゲル中に高分散させることで表面積を低下させることなくBaO・6Al_2O_3のAlの一部をMnFeなど触媒活性成分で置換できる. 置換により表面積はわずか低下するが, 1300°C焼成後も10-15m^2/gの高い表面積が維持され, 特にMn置換系は優れた触媒活性を示す. さらに鏡映面のカチオンを置換したBa_<1-x>K_xMnAl_<11>O_<19-x>系では1300°C焼成後も24-26m^2/gという高い表面積が得られPt/Al2O3よりもはるかに高いメタン燃焼活性を示し, しかも1300°C以上の耐熱性にも優れ高温燃焼用触媒として期待される.
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