研究課題/領域番号 |
61550603
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学・複合材料
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
山川 宏二 阪府大, 工学部, 教授 (00026189)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 非晶質めっき / Ni-S合金 / 電極触媒能 / 水素過電圧 |
研究概要 |
通常の直流電解法に加え、パルス電解法を併用して、Ni-Sめっきを行ない、えられためっき物の電極(陰極)特性を検討した。すなわち、3種類のめっき浴を用い、種々の電流密度でめっきした。そのめっき物の表面観察、硫黄含有量および結晶構造解析を、走査型電子顕微鏡(SEM)、エネルギー分散型微少域分析装置(EDX)および強力X線によって検討した。次いで、各種硫黄含有量のめっき物について、9N NaOH溶液(60℃)中で、定電流カソード電解して、水素過電圧の長期特性を調べた。 (1)アルカリ浴より酸性浴でのめっき物の方が、き裂は少なく、素材への密 性は良好であった。 (2)直流電解法よりパルス電解法の方が、めっき物の硫黄含有量は高く、33wt%もの硫黄を含むめっき物を作製できた。 (3)12wt%付近の硫黄を含むNi-Sめっき物は、微細結晶粒から成っており、33wt%位の硫黄を含むめっき物は非晶質構造から成っていることが判明した。 (4)微細結晶粒から成るめっき物の水素過電圧は、電解時間とともに上昇し約300mVであったが、非晶質めっき物のそれは、逆に電解時間とともに減少し100〜130mVであり、長期にわたり安定であった。この小さい水素過電圧は、白金のそれより約250mVも低い値であった。 (5)電解中に、硫黄の還元溶出がおこり、Ni-Sめっき物中の硫黄含有量は減少した。しかし、非晶質めっきは、電解後も約12wt%の硫黄を含有しており、【Ni_3】【S_2】相を生成していた。微細で大量の【Ni_3】【S_2】粒子の分散が、水素発生反応の触媒能を果たしたものと考えられる。 (6)以上より、非晶質Ni-Sめっきが、良好な電極触媒能を示すことが判明した。
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