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アクリジニウム塩の求電子性および光反応性を利用した新しい触媒系の開発

研究課題

研究課題/領域番号 61550647
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 合成化学
研究機関同志社大学

研究代表者

加納 航治  同志社大学, 工学部, 教授 (60038031)

研究期間 (年度) 1986 – 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワードアクリジニウム塩 / メタノール付加体 / 光還元 / 反応機構 / 光ヘテロリシス / ヒドリド移動 / 高振動準位 / アルコールの求核付加 / 光還元機構 / NAD【P^+】モデル反応 / 立体障害
研究概要

アクリジニウム塩のアルコール中における熱および光反応の機構を解明することにより, アクリジニウム塩を新しい触媒として利用する方法を開発せんと研究を計画した. まず, 10-メチルアクリジニウムクロリド(MAC)のメタノールとの求核付加反応を見い出した. MACは極めて求電子性に富み, 弱い求核剤の付加を9位に受け, メタノール付加体を生成した. 次にこのメタノール付加体が光照射されると, 光ヘテロリシスを受け, 10-メチルアクリジニウムメトキシドを与え, さらにこのイオン対内でのヒドリド移動によりアクリダンを生成する事実を発見した. この手法を用いると, メタノールを光エネルギーでメトキシドアニオンへ変換できたことになり, 極めて興味深い. そこで9位にメチル基を導入したアクリジニウム塩(DMAC)を用い, 同様の実験を試みたところ, 塩基存在下に生成したDMACのメタノール付加体は, 自発的にヘテロリシスを受け, アクリジニウムカチオンとメトキシドアニオンを与えることを見い出したが, メトキシドアニオンは分子内的にアクリジニウムカチオンの9位のメチル基からプロトンを引き抜く反応を起こし, 他分子との反応に使える触媒とはならなかった. 次に9位にフェニル基を導入したアクリジニウム塩(PMAC)を用いた実験を試みた. メタノール付加体の生成およびメタノール付加体の自発的ヘテロリシス反応が進行することはDMACと同様であったが, この場合ヘテロリシスで生ずるイオン対の間での反応は認められなかった. メタノール付加体にK_2CO_3存在下光照射すると, 比較的高収率で9,10-ジヒドロアクリジン体が生成した. このジヒドロ体の生成は, 種々検討した結果, 光ヘテロリシスで生ずる高振動準位のイオン対内でのヒドリド移動によることが明らかとなった. 現在までにアクリジニウム塩を有効な触媒とする反応をまだ見い出していないが, アルコール酸化触媒, 光エネルギー変換触媒となる可能性がある.

報告書

(2件)
  • 1987 研究成果報告書概要
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 加納航治: Chemistry Express. 2. 13-16 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 加納航治: Bulletin of the Chemical Society of Japan. 60. 1041-1047 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 加納航治: Bulletin of the Chemical Society of Japan. 61. (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] KOJI KANO: "REACTION OF 9,10-DIMENTHYLACRIDINIUM CHLORIDE WITH METHANOL. NUCLEOPHILIC ADDITION OF METHONOL AND SPONTANEOUS HETEROLYSIS OF THE METHANOL ADDUCT" CHEMISTRY EXPRESS. 2. 13-16 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] KOJI AKNO: "THE PHOTOREDUCTION MECHANISM OF 10-METHYLACRIDIUM CHLORIDE IN METHANOL. THE FORMATION OF 9,10-DIHYDRO-9-METHOXY-10-METHYLACTIDINE AND HYDRIDE TRANSFER" BULLETIN OF THE CHEMICAL SOCIETY OF JAPAN. 60. 1041-1047 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] KOJI KANO: "THERMAL AND PHOTOCHEMICAL REACTIONS OF 10-METHYL-9-PHENYLACRIDINIUM CHLORIDE IN ALCOHOLS" bulletin of the chemical society of japan. 61. (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Koji,KANO: Chemistry Express. 2. 13-16 (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Koji,KANO: Bull.Chem.Soc.Jpn.60. 1041-1047 (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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