研究課題/領域番号 |
61550673
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
平井 利博 信大, 繊維学部, 助教授 (30126700)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 能動輸送 / 錯体膜 / 非対称膜 / 高分子錯体 / ポリビニルアセテート / ポリビニルアルコール / ヨウ素 |
研究概要 |
1.高分子錯体として合成したものはポリビニルアセテートとその誘導体数種類に関するものであり、さらにポリビニルアルコールの部分スルホン化物を合成し、これらを薄膜化することによって各種膜試料とした。その他のポリマーについては現在調整中である。 2.ポリビニルアセテート錯体膜は骨格ポリマーの重合度、分岐の多寡によって異なる透過挙動を示した。低重合度のものではヨウ化物イオンの能動輸送は起こらず受動輸送のみが観察された。中程度の重合度を持つ錯体膜ではもっとも能動輸送が実験条件下で起こりやすく、高分岐度の錯体膜でもほぼ同程度の能動輸送を示した。 3.これら錯体膜中の錯体成分の非対称分布は膜電位の経時変化と対応しているようであったが、直ちにこれを膜内の非対称性の尺度とすることはできなかった。 4.そこで部分スルホン化ポリビニールアルコールを重畳した非対称膜について検討を行ったところ、荷電密度の鋭く変化する境界を持つ二層膜について見かけの透過係数が負の値を示す場合のあることを確認した。 5.また、ヨウ素錯体膜について、これを各種塩濃度の水溶液に浸漬して膨潤挙動を追跡したところ低濃度水溶液中で膨潤し、高濃度水溶液中で収縮することを見いだした。 6.これは濃度の異なる溶液を錯体膜で隔てることによって膜の両表面に著しい非対称性が膜自身の判断によって導入される生体膜類似の現象であることを示唆しており、重畳膜では見られない現象である。
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