研究課題/領域番号 |
61550677
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
古江 正興 大阪大学, 理学部, 助手 (30028245)
|
研究期間 (年度) |
1986 – 1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1986年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | ルテニウム錯体 / ルテニウム錯体ダイマー / 分子内エネルギー移動 / オスミウム錯体 / 複核錯体 / フェルスター機構 / 人工光合成系 / 光合成電子伝達 / ビピリジンダイマー / 高分子電解質 / 三重項-三重項消滅 / エネルギー移動 / ルテニウム錯体ポリマー |
研究概要 |
エネルギーや電子移動、電荷分離を促進する目的で光増感剤や光酸化環元系を分子集合体に組み込み、その励起状態の性質を検討した。 1.トリスビピリジンルテニウム(II)錯体を炭素鎖2および3個で結合させたダイマーを合成、その励起状態の性質および光増感電子移動反応を検討した。ダイマー系ではその励起寿命がモノマー系よりも長く、無輻射失活が防がれた。これは芳香族炭化水素やポルフィリン系とは異なる挙動で、分子の形状や立体配置が励起状態に大きな影響を与えることを示した。ビオロゲン化合物との光増感電子移動の研究から集合体の荷電の集合が反応の素過程に影響を与えること、集合体におけるエネルギー移動が存在しないことを示した。 2.ルテニウムおよびオスミウムを含む複核錯体を合成し、その励起状態を調べた。この複核錯体で励起ルテニウム錯体がオスミウムにより分子内過程で効率よく消光された。この消光過程が酸化的過程ではなく、エネルギー移動によることを発光強度、寿命測定より示し、速度定数も決定した。 3.ルテニウム、オスミウム複核錯体系での錯体間距離とエネルギー移動速度、溶媒粘度と速度の関係より、エネルギー移動機構が双極子ー双極子相互作用によるFoerster機構であることを示した。 4.ルテニウムおよびオスミウム複核錯体がアニオン性高分子電解質存在下でビオロゲンに対する光還元剤として働き、複核錯体内の分子内電子移動が光還元効率の向上に結びつき、電荷分離促進に寄与した。これは天然における光合成素の電子伝達系の一つのモデルと考えられる。
|