研究課題/領域番号 |
61550688
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
斎藤 正三郎 東北大, 工学部, 教授 (00005224)
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研究分担者 |
白木 信子 東北大学, 工学部, 助手 (60162781)
今野 幹男 東北大学, 工学部, 助教授 (40125547)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ミクロ相分離構造 / ポリマーブレンド / スピノーダル分解 / 変調構造 / 溶媒製膜法 |
研究概要 |
ミクロに相分離した構造を有する高分子多成分系材料は単一組成の材料には見られない特長を有しており、新しい機能性材料としてその開発が期待されている。従来の研究では主として平衡状態下の相分離構造を対象としてきたが、高分子系の相分離は緩やかに進行するため、この構造を過渡的状態で凍結することにより、非平衡状態を相分離形成法として積極的に活用し得る可能性がある。特に自由エネルギー的に絶対的に不安定なスピノーダル領域での相分離法は、これまでミクロ構造の形成が困難であったポリマーブレンド系にも適用し得る新しい方法として注目されはじめている。そこで本研究ではポリマーブレンド系の相分離条件と相分離構造の関係を明確にするため、種々の条件下で相分離実験を行った。ポリマーブレンド系としては機械的性質の異なるゴム質とガラス質のポリマーの組合せとし、ポリビニルメチルエーテル/ポリスチレンとポリ酢酸ビニル/ポリメチルメタアクリレートの2成分系を用いた。試料作成法としては溶媒性膜法を用い、ガラス転移温度と相分離温度の測定、また位相差顕微鏡と光散乱法による相分離構造の観測解析を行い、次の結果を得た。1)ガラス転移温度の測定からポリビニルメチルエーテル/ポリスチレン系が低温下において完全相容系であるこを確かめた。一方もう一つの系は極めて微細なミクロ構造を有する部分相容系の可能性のあることを指摘した。両者の系とも高温下で明確な相分離を示し、スピノーダル分解が観察された。2)スピノーダル分解によって形成される相分離構造は一方の成分が少ないときには規則性のある球状分散構造を示し、両者の成分がほぼ等しいときには2つの相とも連続相となる変調構造となった。また高温ほど微細なミクロ構造の形成されることがわかった。3)相分離温度の推算を既存の方法により試みたが、定量的には全く不充分であり、今後改善の必要性のあることがわかった。
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