研究概要 |
1)pH感受性蛍光色素ピラニンより, リポソーム内水相のpHを測定する際の信頼性を検討した. 内水相のピラニンが膜へ吸着する量を蛍光偏光解消法により推算したところ, 高々数%の値を示し, しかも吸着の際の蛍光スペクトルのシフトも小さいことが判明した. さらに使用したリン脂質の蛍光スペクトルにピラニンのそれが重なる部分があり, それは差スペクトルをとることにより補償した. 従って, ピラニンをpHプローブとして使用することにより内水相のpHを0.01の標準偏差内で測定可能なことを確認した. 2)バクテリオロドプシン(BR)を組み込んだプロテオリポソームに光を照射した時に発生するリポソーム内外水相のpH変化を同時測定した. 内水相はピラニンで, 外水相は複合ガラス電極で測定した. その結果を説明する解析モデルを, BRのプロトンポンプ能, 光依存性のプロトン漏出, 光独立性のプロトン漏出, 内外水相のバッファー能等を考慮して, 提出したところ, 実験結果とよい一致をみた. 3)リン脂質二分子平面膜にBRを組み込んだ時に発生する膜電流を測定する装置を開発した.
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